トラブル回避のためにも! リフォーム済戸建ての引渡し・決済の流れとポイント

リフォーム済の戸建てを探していたAさん家族は、第三者チェックのサービスも利用しながら購入の意思を固め、売買契約を交わすことができました。住宅ローンの本審査も通り、希望どおり融資を受けられる見込みも立って、あとはいよいよ残金決済と引渡しです。

安心感も手伝って、Aさんは「ここまで来れば、あとは残金を支払って建物の鍵を受け取るだけ」と考えているようですが、ここで対応を間違えるとトラブルにつながりかねません。夢のマイホームを手にするまであと一歩、最後の決済と引渡しを無事に終えるためのポイントを理解しておきましょう。

引渡し・決済の際に必要な持ち物

リフォーム済の戸建てを購入する際には、売買契約を結んだときに物件代金の一部を手付金として支払います。そして住宅ローンを申し込み、融資がおりたら残金を支払うことになります。これが「残金決済」。残金決済が完了した段階で、住宅を売り主から買い主へと引き渡すのが「引渡し」です。

この残金決済と引渡しは同日に行われることが多いですが、残金を支払えば自動的に買い主のものになるというわけではなく、最後に重要な手続きが待っています。また、残金決済から引渡しにはさまざまな書類のやりとりも発生します。そのため、残金決済・引渡しの日には「持参すべきもの」があるのです。

買い主の代表的な持ち物としては、印鑑、印鑑証明書、身分を証明する書類、住民票、住宅ローンの融資が振り込まれる銀行口座の通帳と銀行印、そのほかの諸費用の支払いを行うための現金や通帳・銀行印といったものがあります。必要なものはケースバイケースですので、必ず事前に確認しておきましょう。

引渡しと決済ですることとは

残金決済は購入代金の残金を支払うこと、というのは先に述べましたが、大金を支払うことが多い残金決済では買い主が現金を持参するのではなく、住宅ローンの融資が振り込まれる銀行口座上での手続きとなります。

そうしたことから、残金決済を行う場所は住宅ローンを借り入れる金融機関となることが一般的ですが、場合によっては不動産会社で行われることもあります。金融機関での手続きとなるため平日の日中に行われることが多く、時間としては平均2時間ほどかかります。

当日は住宅ローンの入金を確認したうえで、買い主が振込用紙へ記入するかたちで売り主の銀行口座へ残金を振り込みます。振込の実行を確認したら、売り主は買い主に対して領収書を発行し、住宅の鍵を渡します。合わせて管理費や修繕積立金、固定資産税などの清算も行われ、不動産会社が仲介した場合は仲介手数料も支払います。

そしてもう一つ、この場で行われる重要な手続きが、物件の所有権を売り主から買い主へと移転する登記の移転手続きです。「鍵の受け渡し」と「所有権の移転登記」の両方が完了して初めて、住宅が名実ともに買い主のものとなり、引渡しが完了することになります。

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注意点と第三者に立ち会いを依頼することについて

前述の所有権の移転登記は、司法書士に依頼して行うことが大半です。その場合、残金決済・引渡しの日は、買い主、売り主、仲介する不動産会社、金融機関の担当者に加えて、第三者である司法書士が同席することになります。

司法書士は登記手続きの専門家であるばかりでなく、法律にも詳しい存在です。そのため、登記手続きに加えて、売買の取引がスムーズに行われるようサポートするという役割を求められることも多く、残金決済・引渡しの場に「立ち会い」の役割も含めて同席を依頼するというケースもあるのです。

残金決済・引渡しの日は、忘れ物は厳禁。手続きを滞りなく済ませたら、その日のうちに鍵を受け取ります。物件の引渡しは残金決済と同日が基本ですから、売買契約書などで別途指定がある場合以外はきちんと確認しておきましょう。受け取る鍵も、書面と現物を照合して内容の確認を。

おわりに

念願のマイホームにリフォーム済の戸建てを選んだAさん家族の物件探しも、いよいよ大詰めです。心配していた住宅ローンの借り入れを無事済ませ、購入代金の残金を支払えるとなれば、ほっとひと安心するに違いありません。

しかし、本当の意味でマイホームを自分のものにするためには、所有権の移転登記といった手続きを済ませて物件の引渡しを滞りなく受ける必要があります。最後の最後まで気を抜かず、しっかり対応を終えるようにしましょう。