買うと決めたら読もう! リフォーム前中古マンションの価格交渉を成功させる秘訣とやってはいけないこと

リフォーム前の中古マンションの物件探しにじっくり取り組んできたAさん家族も、ようやく「これだ!」と思う物件に出合うことができました。中古マンションの購入手続きについても勉強を重ね、住宅ローンの事前審査の準備も進めているところ。購入の検討も最終段階を迎えています。

とはいえ、気になるのは購入価格。人生に何度とないといわれる大きな買い物の最終決断を下す“最後の一歩”をなかなか進めきれません。「もう少し安くなったら決めやすいのだけど…」そんなときは、値引き交渉をしてみることを考えましょう。

値引きに対する姿勢を業者別で知る

複数の購入希望者が集まることも珍しくない中古マンションの物件では、値引き交渉が成功するかどうかはまさしくケースバイケースです。加えて、その物件を売りに出しているのが企業なのか個人なのかによっても値引きに対する姿勢は異なります。

中古物件を売却しようとしているのが企業で、かつ大手の場合は、基本的に値引きはしないという姿勢のところが多いです。同じ企業でも、地場に根ざした中小企業や個人経営の企業などでは、条件によっては値下げ交渉に柔軟に応じてもらえることがあります。

個人が物件を売りに出している場合でも、急いで売りたい事情があるケースではある程度値引き交渉に応じてもらえる可能性が高まりますが、急いで売る必要がないというケースでは値引き交渉に応じてもらうのは容易ではありません。

物件のオーナーである個人が売却しているケースでは、抵当権の抹消といった事情から売却する際の自由度が狭く、値引き交渉に応じることができないことや金融機関の了承が必要とされることもあります。

値引き交渉の相場と交渉成功のポイント

値引き交渉に応じてもらえたとして、実際にどのぐらい値引きしてもらうことができるのか…。これもケースバイケースというのが実状ですが、大きく分類すると「売りに出してからまだ日が浅い物件」と「売りに出して数カ月経過している物件」で傾向が分かれます。

販売してまだ1カ月や2カ月といった物件ではこれから売れる可能性も十分高く、売り主がまだまだ“強気”です。そのため、値引きが実現するとしてもその額はそれほど大きなものではありません。数十万単位といったところとされています。

対して、販売後数カ月経過しているのにまだ売れないという物件では、売り主にも焦りがみえはじめ「価格を多少下げても売却したい」と考えるケースが増えてきます。売り主が法人であればその傾向はより強まり、販売後3カ月経った物件では5%前後、半年以上経過すると10%割引を受けられることも。

このように、値引き交渉を成功させるための大きなポイントは「タイミング」です。売り主が企業である場合はその企業の決算時期、不動産会社が仲介している場合は媒介契約の契約期間(3カ月であることが多いです)なども値引き交渉に影響するタイミングの一つです。

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やってはいけない価格交渉3つ

買い主としては、値引き交渉が成功するか否かは非常に大きな要素ですから、さまざまな交渉テクニックを使って値引き交渉を成功させようとするのは当然のことです。それでも「してはいけないこと」もありますので、あらかじめ理解しておきましょう。

値引き交渉したのに結局買わない

値引き交渉は、「値引きに応じてくれたら購入する」という購入の意志をもって行うものです。値引き交渉をもちかけて値引きをしてもらったのに「やっぱり買わない」とするのは信頼関係を裏切る行為であり、そのあとの物件探しにも影響が生じます。

マイナスの点を伝えて交渉する

「この物件にはこれだけマイナスの要素がある。だから値引きしてください」とばかりにマイナスポイントばかりを挙げるのは逆効果です。その物件は売り主にとっては大切な財産ですし、そのような手法をとる購入希望者は売り主や不動産会社から敬遠されてしまうでしょう。

居住中物件で売り主に直談判する

オーナーが居住中の物件では物件見学でオーナーに会うこともありますし、家に行けば売り主と話ができることになります。そこで買い主が売り主であるオーナーに対して直接値引き交渉をもちかけるケースがありますが、これは非常に心証を悪くする行為です。

おわりに

住宅の買い物は高額であり、「少しでも安く買いたい」と思う買い主の心理は誰しもが納得するものでしょう。一方で、かつて高額で購入した大切な財産を売りに出す売り主にとっては「少しでも高く売りたい」と思うもの。この心理も十分理解できるものです。

そうした売り主と買い主が行う値引き交渉では、お互いの立場や状況を尊重し、節度やマナーを保って臨むという姿勢が非常に重要です。また、中古物件の場合、値引き交渉を粘っているうちにほかの購入希望者が購入を決めてしまうこともありますので注意しましょう。