3分読めばコツがつかめる!? リフォーム前の中古マンションを見つけるためのポイント

「リフォーム前の中古マンションなら安く買いやすいし、多少古くても自分でリフォームやリノベーションを行えば好みに合わせた家にできる」と考えたAさん家族は、念願のマイホーム購入に向けて物件探しを始めています。ところが、肝心の「リフォーム前の中古マンション」が見つかりません。

すでにリフォームが施された中古マンションの物件情報はいくつも目にするのに、リフォームもリノベーションもされていない中古マンションの物件がなかなかないのです。リフォーム前の中古マンションの物件探しは、どのような点に注意して行う必要があるのでしょうか。

リフォーム前の中古マンションが見つからない理由について

市場に出回る中古マンション物件の多くは「すでにリフォーム・リノベーションで改装された物件」です。その最も大きな理由は、リフォームやリノベーションできれいに整えられた物件のほうが人気が集まって売れやすくなるからです。

自分でリフォームやリノベーションを行うつもりがない方にとっては、「築年数が経過して老朽化したリフォーム前の中古マンション」よりも「築年数は経っているけれどリフォーム済みできれいな中古マンション」のほうが選びたくなるもの。

ですから、物件を売りたいと考えるオーナーにとっても、中古物件を買い取って再販しようとする不動産会社などの事業者にとっても、中古マンションはリフォームして内装をきれいにしてから、あるいはフルリノベーションで最新の使いやすい住宅に整えてから、売りに出したほうがメリットを得やすくなるというわけです。

手入れのタイミングとホームインスペクションについて

Aさん家族のように自分自身でリフォーム・リノベーションをしたいと考えている場合は、「リフォーム費用が上乗せされていない、リフォーム前の物件の購入費用」と「自分で行うリフォーム・リノベーションの費用」を必要な費用として考えるでしょう。

その費用を見積もる際には、自分が変えたい部分のリフォーム費用のみを考えがちですが、中古マンションの物件の場合は好むと好まざるとにかかわらず、住み続けるために修繕が必要となることもあり、その修繕費用がかかることもあるのです。

一般的なマンションの場合、築15年経つとクロスの交換や温水洗浄便座の交換が必要となることが多く、築20年では給湯器や洗面台などの交換、築25年となるとキッチンやトイレ、フローリングに至るまで交換が必要になることが少なくありません。

そうしたことを考えるときに頼りになるのが、専門知識を有する第三者が物件を診断し、建物の劣化や欠陥の有無、修繕が必要な箇所などをまとめて報告してくれる「ホームインスペクション(住宅診断)」です。

中古住宅の売買契約に際しては、その物件がホームインスペクションを実施しているかどうかを買い主に対して明確に告知するという義務が課されています。物件探しの際はこの点もきちんと確認し、場合によっては実施を検討しましょう。

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リノベーション・リフォームに向いている物件とは?

物件広告などを見ていると、「築年数が経過して古くなった物件」「修繕が必要な物件」などを「リフォーム向きの物件」「リノベーション向き物件」として打ち出していることがよくありますが、本当の意味での“リフォーム・リノベーション向き”はそれだけではありません。

傷みが進んだところを新築に近い状態に修繕・改装するリフォームも物件の多くの箇所に手を入れることになりますが、間取りや設備などを大きく変えて物件に新築時以上の価値をもたらすリノベーションでは、場合によっては壁や配管などもすべて取り除いて作り替えることになります。

ところが、たとえば「物件の仕様上、配管類を納めるパイプスペースの位置を変えられない」となれば、リノベーションできる範囲が狭まることになります。このようなマンションの構造・管理規約上の制約がない(少ない)ことも、リフォーム・リノベーション向きかどうかを考えるには重要なポイントです。

おわりに

リフォーム前の中古マンションを安く買って、自分や家族の好みに合わせてリフォーム・リノベーションをするのは、住み心地をよくする効果的な選択肢の一つです。しかしそれを実現するためには、物件価格や築年数以外にもチェックしておくべき点があります。

それは、「希望のリフォーム以外にも修繕すべき箇所がないか」「リフォーム・リノベーションをするのに適した構造・管理規約になっているか」ということです。特にリフォーム前の中古マンションを購入するのであれば、そうした点を念頭において物件選びをする必要があるでしょう。