物件の売買契約、住宅ローンの申し込みなどの手続きを無事済ませ、残金もすべて支払ったAさん家族は、中古一戸建ての引渡しを受けます。引越しの準備も滞りなく完了していよいよ引越し当日を迎えたAさん家族は、長年の夢だったマイホームに入居しました。
新しい住まいや新調した家具に囲まれて快適な生活を送っていたAさん家族ですが、ある雨の日、屋根から雨漏りしているのを見つけました。入居してからも困らないようにするためには、どのようなポイントをおさえておけばいいのでしょうか。
中古一戸建てではライフラインの確認・確保を!
「家になかったら困るもの」の最たるものといえば、電気・ガス・水道といったライフラインです。中古一戸建てへの引越しが決まったら、新居で電気・ガス・水道を使用するための使用開始手続きを早めに行いましょう。遅くとも、使用開始希望日の1週間前までには手続きを。
電気・ガス・水道のいずれも、電話かインターネットで手続きすることができます。新居の住所と連絡先、使用開始希望日などの情報を用意して申し込みます。入居日の前にも掃除などで使いたいという場合は、その日に合わせて使用開始を申し込みましょう。
電気や水道は手続きが完了すれば指定日から使えるようになります。電気はブレーカーを入れるのを忘れずに。ただし、ガスはガス会社の担当者による開栓作業が必要で、その開栓には立ち会いが求められますので、事前に日程を調整しておきます。
入居後に雨漏り発覚……困ったときの対応法について
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター発表の「住宅相談と紛争処理の状況(2017年)」によれば、住宅のトラブルに関する相談件数は年々増加しています。
相談で多い不具合事象としては、「外壁や基礎のひび割れ」「屋根や外壁の雨漏り」「設備機器の性能不足(契約内容との相違等を含む)」などが挙げられ、戸建てで多く見られるのが「雨漏り」、相談者が最も多く求めている解決は「補修」です。
事前に知らされていない「雨漏り」などの欠陥が入居後に見つかった場合、買い主は物件の売買契約に基づき、売り主などに対して物件の補修や損害賠償などを求めることができます。これは売り主が負う「瑕疵担保責任」です。
しかし中古一戸建ての売買契約では、瑕疵担保責任が免除されているか、責任を負う期間が数か月程度とごく短期間に限定されていることが多いものです。不具合が見つかったら、まずは契約内容を確認し、瑕疵担保責任の対象となるかどうか確認しましょう。
また、瑕疵担保責任の対象外であっても、アフターサービスがついている売買契約であれば、その適用が可能になることも。いずれも、売り主や販売会社、不動産会社などに連絡しましょう。
そこでトラブルが生じるケースや困ることがあれば、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(0570-016-100)などの相談窓口を利用すると安心です。
ご近所さんで迷惑行為をする方が……そんなときの対処法
騒音やごみ出し、ペットの鳴き声やたばこの煙などがもととなって、近隣に住む方とトラブルが生じてしまう「ご近所トラブル」は、明らかな迷惑行為からトラブルに発展することもあれば、認識の違いで揉めてしまうこともあり、非常にやっかいです。
困ったときに直接本人に抗議すると、かえってトラブルが大きくなりがちですので、まずは第三者に相談しましょう。自治体の窓口に相談して地域の民生委員を紹介してもらうなどして、問題解決への支援を受けるようにします。最終的には、警察に相談することも。
一方で、自分や家族が近隣への迷惑行為をしない心がけをもつことも重要です。ごみ出しのルールをきちんと守る、ペットの飼育や騒音で周囲に迷惑を及ぼさないといったことに加えて、ご近所さんとのつきあいの距離感も十分配慮する必要があります。
おわりに
Aさん家族が一生懸命がんばってきた物件探しも、新居への入居で一段落ということになります。しかし、安心したところで「入居後にトラブルが!」となってしまう可能性は決してゼロではありません。
事前に自分自身でできる対策としては、ライフラインの確保をきちんと行っておくこと、物件のチェックを入念に行って不具合の懸念を最大限解消しておくことなどがあります。瑕疵担保責任やアフターサービスなどの確認も必須です。
ご近所さんとは良好な関係を築きながら、万一のトラブルに備えて自治体の窓口の確認を。こうしたポイントを確実におさえておき、購入したマイホームで安心して快適に住まうことができるようにしましょう。