長年の夢だったマイホームの購入に向けて物件探しを始めたAさん家族。折り込みチラシや不動産会社の仲介などでいろいろな物件の情報を入手して、築年数や設備、リフォーム・リノベーションの状況や価格といった点を確認しながら、比較検討しています。
あるときAさんは、不動産会社の担当者から「物件自体のスペックも大事ですけど、その物件の周辺環境もよくチェックしておいたほうがいいですよ」とアドバイスを受けました。戸建て物件の場合、周辺環境が大事というのはよく言われることですが、マンション物件でも周辺環境は重視すべきなのでしょうか。
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中古マンションで周辺環境が大切な理由
住宅において周辺環境が大事であるといわれる理由はいくつかありますが、なかでも大きな理由は「周辺環境は自分で変えることができない」という点でしょう。それは、戸建て住宅であってもマンションであっても同じことです。
住宅自体に問題や不満がある場合、自分でリフォーム・リノベーションを施すことでかなりの部分を改善することができます。しかし、最寄り駅へのアクセスや公共施設の位置、学校や病院といった施設の近さ、商業施設の多さなどの要素は、自分ではどうにもできません。
そうした周辺環境は、生活の利便性に影響するばかりでなく、マンションの資産価値をも左右します。大金を投じて行う買い物で大きな財産を得るマンションの購入において、その資産価値は非常に重要な要素です。
購入前に用途地域を確認すべき!
チェックしておくべき周辺環境の項目は、実に多岐にわたります。そのうちの一つであり特に重要である項目が、「そのマンションが建っている地域の『用途地域』」です。これは都市計画法という法律に基づいて、行政庁が各地域を区分しているものです。
この用途地域という区分は12種類あり、区分によってその地域にどのような建物を建てられるかが決まります。住宅を建てることができるのはこのうち6種類ですが、低層住宅しか建てられない用途地域から中高層住宅も建てられる用途地域、住宅以外にも商業施設や病院などを建設できる地域などさまざまです。
購入したマンションの用途地域次第では、周辺に大きな商業施設や、嫌悪施設といわれるようなパチンコ店や風俗店などがのちのち建てられる可能性もあります。こうしたこともまた、住宅の住み心地や資産価値に大きく影響するのです。
おさえておきたいポイント2つ
一般的に、戸建て住宅に比べてマンションは流動性が高く、購入した数年後に売却して住み替えるといったことがしやすいとされています。一方で、購入して数年程度でも資産価値が大きく下落してしまうことも珍しくないのが、マンションの物件です。
そうしたことをふまえ、マンション物件の周辺環境を確認する際には、「その周辺環境が、今の資産価値にどの程度影響しているのか」「購入後も、その資産価値を維持しやすい周辺環境なのか」といったように、資産価値という視点を考慮しながらチェックしていきましょう。
その点でいえば、マンションの資産価値を大きく左右する重要な要素に「立地条件」があります。駅まで徒歩10分圏内の物件、特にターミナル駅にアクセスしやすい立地の物件は、その利便性から資産価値を維持しやすいとされています。
そのほか、商業施設が隣接するようなマンションは生活に便利であることから、都市部のタワーマンションや高級住宅地の低層マンションなどはその希少性から、それぞれ資産価値が下落しにくいといわれています。
おわりに
これからマンションを購入して、そこに長期間住まう予定で考えているAさん家族の場合、マンションを売却するとしてもだいぶ先の話であり、住み替えや資産価値をそこまで重視する必要があるのかどうか、ピンとこないということもあるかもしれません。
また、夫婦が現役世代で働いており、お子さんがまだ小さいAさん家族の場合、「周辺環境」といわれると、通勤の都合や日々の買い物、子育てにとっていい環境といったところを重視すればいいのではないかと考えることもあるでしょう。もちろんそうした要素も重要です。
しかしながら、実際にマンションを購入してから手狭に感じることもありますし、急遽転勤を命じられることもあり得ます。流動性が高いというマンション物件を最大限に生かすならば、手放す際の資産価値を考慮したうえで物件探しをするのが得策です。