交渉の心得! リフォーム済戸建ての値引き交渉を成功させるためにやっていいことと悪いこと

念願のマイホームを購入すべく、中古物件、なかでもリフォーム済の戸建ての物件探しを進めていたAさん家族は、不動産会社に相談しながらさまざまな物件情報のチェックを重ね、購入候補となる物件を絞り込んでいるところです。いろいろな条件を比較検討するなかで、Aさん家族が気にしているのはやっぱり価格のこと。

新築物件に比べれば、リフォーム済の戸建ては安価とはいえ、高額の買い物であることに代わりはありません。そこでAさん家族は、思いきって値引き交渉をもちかけることにしました。値引き交渉を成功させるためには、どのようなポイントをおさえておけばいいのでしょうか。

リフォーム済戸建ての交渉の心得3つ

値引き交渉は物件を見学してから

中古の戸建ては、リフォーム済であってもどのような不具合が出てくるかわかりませんし、実際に物件を見学したら「思っていたのと違う」となることも珍しくないのです。それに、物件見学の前から値引きの話をもちかけるようでは、売り主からすれば「真面目に買うつもりがあるのだろうか」「資金面は問題ないのだろうか」と不安に感じるでしょう。

「値引きを希望する金額」を具体的に伝える

ただ「値引きしてほしいのですが」と言って「はいそうですか」となるほど、物件の売買は簡単ではありません。購入を希望する上限の価格を自分のなかで設定したうえで、金額が具体的にいくらになれば購入できるのかということを伝えましょう。

「値引きしてもらえたら購入する」心構えを

「値引きしてもらえたらいいなあ」といった軽い気持ちで値引きをもちかけるのは禁物です。「購入希望の上限価格まで値下げしてもらえたら購入する」ときちんと意志を固めたうえで売り主にもそのように伝え、真剣な気持ちで交渉していると理解してもらいましょう。

値引き交渉前にやってはいけないこと

値引き交渉をするにあたって絶対にしてはいけないのが、購入の意思を伝えることなく最初から値引きを前提として話をすること、そして「いくらになりますか?」と探りを入れることです。

中古の戸建ての売買における値引き交渉は、購入希望者に真剣な購入の意思があることが前提です。そして、予算がどうしても折り合わないといったようなやむを得ない事情を売り主が理解し、値引きの検討に応じるテーブルについて初めて成立するものです。

売り主にとっては大切な財産である物件ですから、できれば値引きせずに売却したいと考えます。ましてや、購入する意思があるかどうかもわからない相手に、最初から値引きに応じるわけもありません。

売り主との信頼関係を築き、売買契約を滞りなく進めるためにも、この点をきちんとわきまえたうえで値引き交渉を行うことが大切です。

shutterstock_1117547507

値引き交渉をしやすい時期

同じように値引き交渉をもちかけても、“時期”の違いによって成否の確率は大きく異なります。ポイントは、売り主が「多少値引きしてもいいから、早く売りたい」と考える“時期”かどうか。

売りに出されてまだ間もない物件では、これから買い手がつく可能性はまだ十分にあり、売り主としても強気で様子を見ていることができます。この段階で「値引きしてくれたら買います」と交渉しても、売り主は「値下げしなくても買ってくれる人がいるかもしれないから」と考えるでしょう。

ところが、売りに出して数カ月経っても買い手がつかず、反響も少ないといった物件では、売り主にもだんだん焦りが見えはじめます。「このままでは売れずに残ってしまうのではないか」と考えはじめるのです。そのタイミングで、「この金額まで値引きしてもらえたら、購入を申し込みます」という購入希望者が現れたら…。

このように、その物件がどのような“時期”であるかによって、値引き交渉の成功率は違ってきます。こうした点にも目を配りながら物件探しをしてみると、値引き交渉の成功率を高めることにもつながるでしょう。

おわりに

Aさん家族のように「マイホームを少しでも安い値段で買いたい」と考える心理は、多くの方が共感するのではないでしょうか。対して、大事な財産である戸建てを売却しようとする売り主にもさまざまな事情があり、「少しでも高い値段で売りたい」と考えるのもうなずけます。

中古の戸建ては個人対個人の取り引きも多く、不動産会社が仲介するとしても、買い主と売り主のお互いの立場を尊重して交渉に当たるというのは重要な姿勢です。そのうえで、物件の売却理由や問い合わせの数、いつごろ売りに出されたのかといった情報を把握して臨むのが、中古の戸建ての値引き交渉に大切なポイントといえます。