夫・妻・お子さん2人で暮らすAさん家族は、マイホーム購入に向けて行動を開始することにしました。お子さんの子育ても考えて、一戸建ての物件を購入したいと思っているAさん夫妻ですが、予算の関係もあり、中古物件に的を絞っています。
Aさん家族が今住んでいる賃貸物件は、不動産情報が多数掲載されているポータルサイトで見つけて契約したもの。そこで今回も、まずは不動産情報サイトで中古物件を検索しようと考えました。ところが友人から、「中古物件を探すなら、ポータルサイトから探すのはやめたほうがいいよ」とアドバイスを受けたのです。
中古物件での不動産会社の役割を理解しよう
中古物件を購入する場合、物件のオーナー(売り主)から直接買う方法もありますが、不動産会社の仲介を通じて購入するケースもあります。後者の場合は、買い手探しから売買契約の締結手続きまでを売り主が不動産会社に委託しているのです。
そして、前者の場合、不動産会社は関係ないかというとそうではなく、不動産会社が売り主から物件を買い取り、不動産会社自身が「売り主」となって物件を販売するケースもあります。
日本には全国各地に数多くの不動産会社が存在しますが、それぞれの不動産会社には“得意”としている取引形態があります。さらに、中古一戸建ての物件ではケースバイケースの要素が大きく、どの不動産会社でも同じように扱えるというわけではありません。
不動産情報サイトにも中古一戸建ての物件情報は掲載されていますが、広告の問い合わせ窓口となっている会社が中古一戸建ての売買に精通していない可能性もあります。個々の不動産会社によって得手不得手の差が大きいのが、中古一戸建ての売買なのです。
希少性の高い物件が欲しいなら地場業者を選ぶべし! 非公開物件とは?
マイホームを購入する方の多くは不動産取引には詳しくなく、ポータルサイトで物件情報を探して不動産会社との“偶然の出会い”を引き当てるよりも、頼りになる不動産会社を探すほうが成功に近づきやすくなるというわけです。
もう一つ、中古一戸建てを購入するにあたっては、その立地が非常に重要です。不動産会社には「得意としている地域」の違いもありますから、住みたい地域に根ざした地場の不動産会社に行くことで、希望を満たす物件を探しやすくなります。
そうした地場業者は、一般には公開していない貴重な物件情報をもっていることも。不動産会社には、さまざまな事情からチラシやWebサイトなどに掲載できない「未公開物件(非公開物件)」の情報があるのです。
こうした物件の情報は、不動産会社に行かないと紹介を受けることができません。この点も、不動産会社での物件探しをすすめる理由です。
不動産会社を賢く利用しよう
希望する条件の中古一戸建てを探すには、不動産会社を賢く利用するのが近道です。まずは購入したい物件の地域や間取り、叶えたい条件や予算などの情報をまとめておき、不動産会社に行ったときにスムーズに伝えられるようにしておきましょう。
不動産会社もどこでもいいわけではないので、Webサイトなどで情報を閲覧して、前述のような「中古一戸建てを得意としている会社」「希望する地域に密着した不動産会社」などをピックアップ。訪問時は、電話かメールで予約しましょう。
不動産会社では特定の営業担当者がついてくれることが多く、その営業担当者といかに信頼関係を築けるか、緊張感がありながらもお互いにいいやりとりができるか、ということが、物件探しの成否を大きく左右します。
営業担当者には自分や家族の情報、物件に関する希望などをきちんと開示し、「どういう条件で、何を求めているか」を明らかにしましょう。きちんと理解・納得できるまで遠慮せず質問することが重要ですが、必要以上の駆け引きをしかけたり無理な要求を押しつけたりするのは禁物です。
おわりに
中古一戸建ての物件はオーナー個人が直接売りに出しているケースもあり、不動産会社が取り扱っている物件がすべてではありません。なかには、チラシや看板、知人の紹介などで物件情報を得ることもあるでしょう。
しかし、不動産の購入が初めてのAさん家族のように、物件探しから売買契約まで知らないことの多い場合、不動産会社は物件の仲介の範疇を超えて心強い“味方”となることも。その点をとっても、信頼できる不動産会社を探すことは、物件探しを成功へ導く重要なポイントの一つといえます。
物件探しを進めていくうちに、中古物件と不動産会社の関係や、不動産会社との付き合い方についても理解が深まっていき、希望の物件探しにより近づけるようになるはずです。