Aさん一家は、夫、妻、2人のお子さんの4人家族です。結婚後も賃貸物件に住んでいましたが、お子さんが大きくなってきたこともあり、長年の希望だったマイホーム購入をいよいよ実行に移そうと夫婦で検討をはじめました。
新築がいいか中古にするか、戸建てにするかマンションを選ぶか…いろいろ考えた結果、Aさん家族は「リフォーム済の中古マンション」に的を絞って物件探しをはじめることに。
そこで、Aさんが最初に考えた行動が、賃貸物件を探すときのように不動産会社に行って物件を紹介してもらうことでした。中古マンションの物件を探す際の不動産会社選びについて、考えてみましょう。
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リフォーム済物件は売主業者が多い? まずは不動産会社の仕組みを知る!
「不動産会社」とはいわゆる「不動産屋」のことで、日本全国には非常に多くの不動産会社が存在します。この不動産会社とやりとりする機会が多いのは、賃貸住宅や月極駐車場などを借りる場面ではないでしょうか。
そのように、「不動産賃貸業(賃貸斡旋)」をメインで営む不動産会社は、住居や駐車場などのオーナーと借り主の間に入って賃貸物件の紹介や契約の仲介を行ったり、不動産会社自身が所有する不動産で賃貸経営を行ったりします。
また、住んでいる物件の修繕や賃料の支払い、共有スペースの電球の交換依頼や退去手続きなどの際に不動産会社とやりとりするということもあるでしょう。それは、「不動産管理業」を営む不動産会社に物件オーナーが管理業務を委託しているケースです。
こうした経験の延長で、住宅を購入する場合も不動産会社を介すのが当たり前のように思うかもしれませんが、実は必ずしもそうとは限りません。
不動産会社は何をしてくれるのか?
Aさん家族のように中古マンションの物件を探すにあたって、不動産会社に物件を紹介してもらうことはもちろん可能です。ただしその場合、対象が「不動産会社が仲介(媒介)できる物件」に限られ、仲介を行う不動産会社も「不動産取引業」を営む会社のみである点に注意が必要です。
後述するように、中古住宅の物件にはいくつかの種別があり、「物件探しは不動産会社に行けばOK」というわけではないのです。一方で、不動産会社では物件探し以外にも数々のサポートを受けることができます。
例えば、不動産の売買契約に詳しくない買い主が契約で不安を感じることは多々ありますが、不動産会社はそうした疑問に答え、契約を成功に導くようサポートしてくれます。
不動産の売買契約に際しては、住宅ローンの手続きや税金の支払い、登記手続きなどの対応も必要です。そうした手続きでも、不動産会社の担当者や提携する司法書士・税理士などのプロフェッショナルを頼ることができ、安心感が高まります。
不動産会社が取り扱う物件種別について
ここで、中古マンションの物件種別に話を戻しましょう。住宅などの不動産物件には「取引形態」というものがあり、この区分によって不動産会社が取り扱えるかどうかが異なります。
不動産会社が仲介できるのは、物件のオーナー(売り主)が不動産会社を通じて物件を売却しようとしている「仲介(媒介)物件」です。この物件情報は、全国の多数の不動産会社が物件情報を共有する流通システム(レインズ)に掲載され、多くの不動産会社で仲介することができます。
対して、不動産会社が仲介できないのが「売主物件」です。これは、不動産会社の仲介に頼らず、物件のオーナー(売り主)が自ら売却を進めようとする物件で、基本的には売り主から直接購入することになります。こうした物件は不動産会社で探すことはできず、折り込みチラシや住宅情報サイトなどで探すことになります。
おわりに
賃貸物件を探す際には、住宅情報サイトで検索するか不動産会社で紹介を受けるのが一般的な流れです。しかし、中古マンションの物件を探す場合には、そうした探し方だけでは出合える物件情報の選択肢を狭めてしまうことになります。
特に、Aさん家族の場合はリフォーム済の中古マンションを購入しようと考えていることもあり、最適な物件を探すためには選択肢を幅広くもてることは大切です。
とはいえ、不動産の売買契約において、不動産会社は心強いパートナーになる場面も多くあります。まずは不動産会社と中古マンション物件の関係を理解し、それから物件探しや不動産会社探しの方法について考えていくといいでしょう。